【三次燃焼とは?】三次燃焼の仕組みとメリット・デメリットを解説!

三次燃焼ってなに?

二次燃焼のさらに上があるの?

三次燃焼とは、一次燃焼・二次燃焼で燃え切らなかった微細なガスや粒子を再燃焼させることです。

三次燃焼によって、二次燃焼よりも「燃料効率のよさ」と「排気のクリーンさ」がさらに向上します。

マッシュ

でも三次燃焼の仕組みってどうなってるの?

私は5年ほど二次燃焼の焚き火台を愛用していますが、初めて「三次燃焼」と聞いたときはどんな仕組みなのか、さっぱりわかりませんでした。

今回、時間をかけて三次燃焼の仕組みについて調べたので、わかりやすく記事にまとめました。

この記事では、三次燃焼の具体的な仕組みからメリット・デメリットまで解説します。

この記事を読んで三次燃焼の仕組みを知ると、焚き火の奥深さを感じることができ、焚き火ライフがもっと楽しくなるでしょう。

この記事でわかること
  • 三次燃焼の仕組み/燃焼方式
  • 三次燃焼のメリットとデメリット
  • 二次燃焼と三次燃焼のどちらを選べばよいか
目次

三次燃焼の定義・二次燃焼との違い

二次燃焼の焚き火台を使っているキャンパーさんも多いと思いますが、実は二次燃焼でもすべてを燃やし尽くすことはできず、微細なガスや粒子といった燃え残りが発生します。

三次燃焼とは、二次燃焼でも燃えきらなかったガスや粒子を再燃焼させることです。

「三次燃焼」とは焚き火の環境負荷を極限まで抑える技術

三次燃焼は、簡単にいえば第三段階の燃焼です。

  • 一次燃焼
    • 薪が燃え、煙(可燃性ガス)が出る。
  • 二次燃焼
    • 一次燃焼で出た煙(可燃性ガス)に向けて、予熱した空気を噴射し再燃焼させる。ほとんどの煙が火に変わる。
  • 三次燃焼
    • 二次燃焼で燃え残った微細なガスや粒子を再々燃焼させる。

では、なぜ三段階も燃焼を重ねるのでしょうか。

結論からいうと三次燃焼は

  • 燃料効率の向上:燃料の無駄を極限まで抑える
  • クリーンな排気:焚き火の環境負荷を極限まで抑える

ための技術といえます。

三次燃焼は、限りなく「完全燃焼」に近い状態を作り出し、排気を極限までクリーンにする最終工程なのです。

二次燃焼と三次燃焼の違い

二次燃焼と三次燃焼の違いは、燃焼の回数だけではありません。

二次燃焼と三次燃焼の主な違いを以下の比較表にまとめます。

スクロールできます
項目二次燃焼三次燃焼
目的煙の再燃焼・美しい炎の鑑賞完全燃焼・熱エネルギーの最大化
燃焼対象一次燃焼で燃え残った可燃性ガス・煙二次燃焼で燃え残った微細なガス・粒子
必要温度約600℃〜800℃800℃以上
(超高温域)
燃焼方式
(仕組み)
二次燃焼用の予熱空気を供給触媒方式
非触媒方式
(高温維持 + 撹拌・乱流)
燃焼効率高い極めて高い
排気煙は大幅に減少ほぼ無煙
燃費早い非常に早い
(燃焼方式によって異なる)

二次燃焼は、焚き火台を二重壁構造にし、二次燃焼用の予熱空気を供給することで再燃焼を実現しています。

二次燃焼の焚き火台について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

一方、三次燃焼はメーカーによる技術的アプローチが異なるため、三次燃焼を実現させる仕組みが製品ごとに異なります。

以下で、三次燃焼の代表的な仕組みについて解説します。

三次燃焼の仕組み

三次燃焼には大きくわけて「触媒方式」「非触媒方式」の二つの仕組みがあり、さらに非触媒方式にはいくつかの方式があります。

触媒方式が科学的アプローチ、非触媒方式が物理的アプローチといわれます。

この記事では三次燃焼の代表的な

  • 三次燃焼の仕組み①:触媒方式
  • 三次燃焼の仕組み②:気流撹拌方式(非触媒方式)
  • 三次燃焼の仕組み③:三次空気供給方式(非触媒方式)

の三つの仕組みを解説します。

三次燃焼の仕組み①:触媒方式(キャタリティック燃焼)

まず一つ目は「触媒方式」と呼ばれる仕組みです。

特殊な触媒(キャタリティックコンバスター)を用いることから、科学的アプローチといわれています。

触媒方式の原理は、自動車のマフラーが排気ガスを浄化するのと同じです。

低温でも煙を燃やす「触媒」の正体

触媒方式では、二次燃焼の排気物(微細なガス・粒子)の通り道に(主に煙突付近)、ハニカム構造(蜂の巣の形状)の触媒が設けられています。

触媒は、セラミックやステンレスでできており、表面にはプラチナやパラジウムといった金属(貴金属)がコーティングされています。

排気物が触媒を通る際に化学反応を起こし、燃焼温度が約220〜300℃まで下がることで燃えやすい状態となり、二次燃焼でも燃えきらなかったガス・粒子を再燃焼(三次燃焼)させるというのが触媒方式の仕組みです。

三次燃焼に必要な温度は800℃以上といわれていますが、この特殊な触媒を使うことで、温度を上げることなく、再燃焼させることができるのです。

マッシュ

「化学反応で燃えやすい状態に変える」というのが触媒方式のポイント

触媒方式は主に家庭用の薪ストーブに採用

魔法のような触媒ですが、以下のようなデメリットもあります。

触媒のデメリット
  • 高価:
    プラチナなどの貴金属を使用するため触媒自体が高価で、製品も高くなってしまう
  • メンテナンスが必要:
    煤(すす)で目詰まりを起こすため定期的な掃除や数年ごとの交換が必須
  • 衝撃に弱い:
    セラミック製の触媒はわれやすく、積載や移動の多いキャンプに不向き

このような性質があることから、触媒方式は主に家庭用の薪ストーブに採用されています。

三次燃焼の仕組み②:気流撹拌方式(非触媒方式)

二つ目は「気流撹拌方式(非触媒方式)」と呼ばれる仕組みです。

触媒を使わずに物理構造だけで完全燃焼を目指すことから、物理的アプローチといわれています。

気流撹拌方式の特徴は乱流(タービュランス)

完全燃焼に必要といわれる3つのTのうち、特にTurbulence(撹拌)」に焦点をあてたのが気流撹拌方式です。

完全燃焼に不可欠な3つのT
  • Temperature(高温)
  • Time(時間)
  • Turbulence(撹拌)気流撹拌方式

気流撹拌方式の薪ストーブでは、燃焼室の形状や空気の吹き出し口を工夫することで、炉内にサイクロン(竜巻のような渦)を作り出すようになっています。

このサイクロンによって、二次燃焼でも燃えきらなかったガス・粒子が高温の酸素と混ざりあい、三次燃焼を発生させます。

滞留時間(レジデンスタイム)も長くなる

気流撹拌方式では、サイクロンによってガスや煙が炉内に留まる時間(=レジデンスタイム)も長くなります

本来なら煙突に直行するガスや煙が、サイクロンによって2秒、3秒と炉内にとどまるようになります。

マッシュ

逃げようとする煙を「ちょっと待った!」と引き留めるのもポイント

気流撹拌方式では、逃げようとするガスや煙を引き留め、その間に高温の酸素と何度も混ざり合わせるわけです。

その結果、ガスや煙は高温の酸素と何度も混ざりあい、最後まで燃焼させます。

気流撹拌方式は家庭用・キャンプ用の薪ストーブに採用

気流撹拌方式は触媒を使わないため、メンテナンス性と可搬性に優れています。

したがって、気流撹拌方式は、家庭用の薪ストーブにもキャンプ用の薪ストーブにも採用されています。

マッシュ

モキ製作所の「俺のかまど」が有名

三次燃焼の仕組み③:三次空気供給方式(非触媒方式)

出典:CHANGE MOORE

三つ目は「三次空気供給方式(非触媒方式)」という仕組みです。

三次空気供給方式は、二次燃焼の仕組みがわかっている方なら理解しやすい仕組みです。

三次燃焼用の空気を追加で供給するような構造になっています。

三次空気供給方式は主にキャンプ用の焚き火台に採用

先に解説した「触媒方式」「気流撹拌方式」は、その仕組みから薪ストーブに採用されることが多いのに対し、三次空気供給方式は主に焚き火台に採用されています。

マッシュ

CHANGE MOOREの三次燃焼焚き火台

boottonationからは、ソロストーブ(Solo Stove)の焚き火台と合わせて使用することで三次燃焼を実現するアイテムも登場しています。

三次燃焼のメリット・デメリット

次は三次燃焼のメリット・デメリットを紹介します。

メリットだらけに思える三次燃焼ですが、デメリットもあります。

メリットデメリット
ほぼ無煙(環境にやさしい)
燃料の最大活用(高い燃焼効率)
燃え残り(灰)が極端に少ない
視覚的な楽しみ(青い炎)
導入コストが高い
消耗品の交換が必要
燃料代がかかる

三次燃焼のメリット

ほぼ無煙(環境にやさしい)

三次燃焼は、完全燃焼に限りなく近いため、排気物(煙や粒子)も極端に少なくなります。

クリーンな排気で、環境負荷の低減にもつながります。

自然を楽しむキャンパーとして、環境への配慮ができるのは嬉しいポイントです。

燃料の最大活用(高い燃焼効率)

三次燃焼では、燃料を最大活用できるので、少ない燃料でも高い暖房効果・火力が得られるようになります。

燃え残り(灰)が極端に少ない

三次燃焼は、燃え残りが極端に少なく、これまで手間のかかっていた灰の掃除も簡単になります。

視覚的な楽しみ(青い炎)

三次燃焼の薪ストーブ・焚き火台には、完全燃焼をあらわす「青い炎」を楽しむことができるものがあります。

幻想的なファイヤーアートを楽しむことができるのも三次燃焼ならではのメリットです。

三次燃焼のデメリット

導入コストが高い

三次燃焼の薪ストーブ・焚き火台は価格が高く、導入コストが高くなってしまいます

消耗品の交換が必要

触媒方式の触媒は数年に一度の交換が必要であり、数万円の費用がかかります

燃料代がかかる

燃焼効率がよいということは「薪を素早くエネルギーに変える」ことを意味します。

そのため、三次燃焼では、燃料をどんどん燃やすため、燃料の消費スピードも非常に早くなり、燃料代がかさみます。

「燃焼効率がよい=少ない薪で長く燃える」ではありません。

二次燃焼と三次燃焼:どっちを選ぶべきか

最後に、二次燃焼と三次燃焼で迷ったときにどちらを選ぶべきか、選択のポイントを紹介します。

どちらも高性能であることに変わりはありませんが、あなたのキャンプスタイルにあった方を選ぶのがベストです。

別記事で三次燃焼の焚き火台・薪ストーブを紹介していますので、どんな製品があるか知りたい方はコチラからご覧ください。

【二次燃焼(Solo Stoveなど)がおすすめな人】

  • 「鑑賞派」:
    • 美しく立ち上がる二次燃焼の炎をゆっくり眺めて癒やされたい。炎のアートを楽しみたい。
  • 「手軽さ重視」:
    • 難しい操作や組み立てはしたくない。ポンと置いてすぐに焚き火を始めたい。
  • 「雰囲気重視」:
    • ソロストーブやブリーオなど、デザイン性が高くポピュラーな製品で、間違いのないキャンプを楽しみたい。

【三次燃焼(モキ製作所など)がおすすめな人】

  • 「調理・実用派」:
    • 800℃の超火力で本格的な料理(羽釜ご飯や中華鍋での炒め物)をしたい。ガス火を超える熱源として活用したい。
  • 「エンジニアリング志向」:
    • 道具を使いこなし、鉄製品のエイジング(経年変化)やメンテナンスも含めて楽しみたい。
  • 「完全無煙・後片付け重視」:
    • 煙の臭いを絶対につけたくない、あるいは灰の処理を極限まで減らして撤収をスムーズにしたい。

まとめ

今回は、焚き火の常識を覆す「三次燃焼」の仕組みやメリット・デメリットについて解説しました。

三次燃焼は、環境への配慮とエンジニアリングの技術が詰まった、まさに「究極の燃焼システム」といえます。

三次燃焼の仕組みを知ることで、焚き火の奥深さを感じることができるはずです。

きっと、これからの焚き火ライフがより深く、楽しいものになるでしょう。

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